日本ボーイスカウト茨城県連盟
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 Course Menu 6 工作と歌

◉ 工作

 

 動物の中で「物」を作ることができるのは人間だけです。また、物を作る道具を作り出したのも人間だけです。

 人間の文明は、精神の発達と物を作ることによって進められてきました。この両者はまた互いに支え会いながら進歩してきました。豊かな生活により穏やかな気持ちが養われ、優雅な情操によって楽しい彫刻や絵画が生まれました。

 人間は生来、物を作ることに喜びを感じます。カブスカウト達も何かを作りたがります。しかし、カブスカウトの年代では、考えていることと、やることに大きな開きがあります。それは、空想や望みばかりが高くて技能や根気がそれに釣り合わないからです。そこで、

 

  1.  短時間で仕上がるもの
  2.  単純なもの
  3.  大ぎっぱな作業ででき上がるもの
  4.  安価で容易に入手できる材料を使うもの

 

等を選ばせるべきです。

 また、早くでき上がりを見たがり、でき上がったものを使いたがります。組集会でカブスカウトたちと何を作ったらよいかを話し合って、彼等の作ろうという意欲を高め、糸口を作ってやります。家庭での保護者の協力は、技能の不足とあきっぽさを補う大きな力になります。月例隊集合での展示は、誇りと次の製作への励ましになります。家庭での製作はよい親子関係を作ります。

 

 カブスカウトにできる工作には、

 

  1.  手先を器用にする。
  2.  あきずにやりとげる。
  3.  計画性、実行力、反省評価力、進歩性を養う。

 

こと等を直接の効果として、工作をプログラムの中に取り上げています。

 

 カブスカウトの工作には

   ・ 折り紙    ・ 切り紙   ・ 厚紙細工   ・ 彫刻

    ・ 竹、木、皮、ひも等の細工  ・ ダンボール細工

 

等があります。テーマに会わせて適当なものを選びましょう。

 

 道具については、使い方だけでなく、保管、後始末等もきちんとやるようにしつけるのも大事なことです。もちろん、道具の正しい使い方も、けがをしないためにも、上手に作るためにも正しくおぼえさせてください。

 カブスカウトのプログラムによって特にお父さんと子どもの結び付きを強固なものにし、家族ぐるみのスカウテイングを実現するのに役立ててください。隊長もデンリーダーもデンコーチもカブスカウトも、そして家族の全員も、物を作ることの楽しさを味わいましょう。

 

 

◉ 歌

 

 歌は感情のあらわれであり、また歌によって感情が導かれます。

 楽しい気分のときは自然に楽しい歌が口をついて出てくるし、静かな夕ぐれの景色に感動しているときは荘重な静かな歌声が流れてきます。

 また、ハイキング等で疲れたとき、元気のよい歌をみんなで合唱すれば、目的地までいつのまにかついてしまいます。スカウト活動で歌に期待していることは

 

  1.  雰囲気を作り出す
  2.  みんなの気持ちを一つにする(仲間意識の向上、促進)
  3.  元気づける
  4.  親和感を与える
  5.  情操を養う

 

等です。

 

1. どのような歌を

 スカウト達のニーズは常に変化しています。幅広い選曲を含め、広い視野にたって、より多くのスカウト達に好まれるような歌の選定に努めることが大切です。

 自然にわきあがるハーモニーこそ、スカウトの輪であり、ここに其のスカウトの姿を見ることができます。

 

2. T.P.O.を考慮した歌の選定

 子どもを寝かせるときには、「子守唄」が必要であるし、厳粛なセレモニーのときには荘厳な曲が必要であるということはもちろんです。

 スカウト活動におけるプログラムの展開においても、歌のT・P・0を十分考慮しなければなりません。

 セレモニーの歌、集会での歌、ハイキング中の歌、キャンプファイアでの歌等各々にふさわしい歌を選択することが大切です。

 

3. 歌うときの留意事項

 

  • 音程をはっきり、大きめの声で歌い出すことにより自然に続いて歌わせる。
  • 年齢によって音程を考えて歌い出す配慮が必要。
  • 楽器を使用することによって、楽しく歌わせる。
  • 怒鳴ったり、無理な声を出させない。
  • 胸をはって、正しい姿勢で、気軽に、発音は明瞭にさせる。
  • 次々と新しい歌を教えるより、繰り返しが必要。
  • 新しい歌を教えるときは、1番を何度も繰り返す。
  • 動作の入るものは、大きい動きでリードする。
  • 決してけなさず、はめてあげる。

 

 「歌は話すように、話しは歌うように」ということわざがあります。

 カブスカウトの活動では、機会あるごとに、みんなで歌いましょう。いつでも、どこでも歌えるように、いろいろな歌をたくさんおぼえましょう。下手よりも上手いにこしたことはありませんが、下手でもいいのです。元気に歌うことで、活動がどんどん楽しくなります。みんなで、仲良く、楽しく歌えば、楽しい集会がより楽しくなります。儀式はふさわしい歌によって、より効果的になります。

 プログラムを作るとき、いつ、どこで、どんな歌を歌うかということも、プログラムを成功させる重要な要素です。おろそかにしないでよく検討してください。

 

 

❖ソングリーダーのあなたに

 

 近頃、集会で活発にスカウトソングを歌っている隊が少なくなったように思われます。スカウトたちは歌うことが嫌いになってしまったのでしょうか? いやいや、そんなことはないようです。日常生活の中では実に積極的に歌っています。では、どうして活動で歌わなくなってしまったのでしょう。

 

 その原因を考えてみると、1つは、現代のスカウト気質にマッチしていない歌を押しつけていること、そして、リーダーが活動それぞれの場面で、そのシチュエーションに合った歌を知らないことがあります。もし、スカウト活動の中では「スカウトソング」しか歌ってはいけないと思っているリーダーがいるとしたら、直ちにその考えをポイと捨ててしまいましょう。

 もちろんスカウトソングは、私達の大切な伝統ですので大切にしていくのはあたりまえですし、また、それを歌うなと言っているのでは決してありません。スカウト活動を行っていく中では、その場に合った歌なら「スカウトソング」にとらわれずにどんどん取り入れていいんです。ボーイスカウトの世界はそんな狭いもんじゃないですよ。

 わき上がる感情、それにマッチする歌なら何でもいいじゃないですか。また、そんな歌をどんどん自分でも作ってしまうのも手です。このソングブックの中に掲載されている歌は、ほとんど「スカウトソング」ではありません。ですが、いろんな場面で活動を豊かにしてくれる歌の数々です。

 

 2つめに、歌は難しいと思い込んでいるんじゃないですか?(基本的にセレモニーの歌の様に正しく歌うべものは別として‥‥)

 ふだんの活動の中で歌われているものについては、そんなに神経質にならないで、もっと気楽に歌うように気持ちを切り替えてみたらいかがでしょうか。自分の好きなキーで、好きなテンポで、ちょっとくらいの音程のズレなんか気にしないで、どんどん歌っていきましょうよ。要は気分・雰囲気なんです。たとえ下手だったとしても「隊長は、音痴だけど、歌が好きなんだ!!」と開き直ってしまってもいいじゃないですか。スカウトだってその辺りは心得ているはずですよ、きっと。

 

 3つめは、誰に教わったんだか知りませんが「歌をきちんと教えなければならない」と思いこんでいませんか? そう構えてしまうことによって、歌を遠ざけてしまっているんじゃないんですか。今はIPodもありますし、周囲を見回せば、結構歌が上手いと自認しているリーダーがいるはずです。「きちんと歌を歌う・教える」は、その人たちに研究させ、指導させとけばいいんです。自分は十八番(おはこ)をひとつ持っていれば用は足ります。それ1つで10年は行けますから。………等々の要因が考えられます。

 

 ところで、歌の指導で注意しなければならないことは、特に音大やコーラス関係出身の方に多いんですが、朗々とオペラ歌手のように歌い上げてしまうこと、どんな歌も一本調子で歌ってしまうこと等です。

 スカウト活動の中でのソングは、スカウトたちが親しみを持って自然に受け入れられるように表情豊かに指導してみてください。その意味では、どちらかと言えば素人の方がいいのかもしれません。

 

 

❖ソングリーダーのためのルール

 (B.S.A. Troop Activites より)

 音楽に特別の才能を持ち、訓練を積んだスカウト・スカウターだけが、歌の指導をするべきだと一般に思われがちであるが、これではスカウトの楽しさを奪ってしまうことになる。

 歌のメロディを知っている人なら誰でも指導はでき、歌によってグループがまとまり、仲良く楽しい雰囲気になるものである。メロディを合わせなくても、リズムに合わせて歌詞を口ずさむだけでも立派に歌わせられる場合がある。

 音楽の知識は少なくても、リーダーの熱心さがよりグループをひとつにまとめることができる。時には、こうしたリーダーの方が、完全さを要求する専門家よりのびのびした楽しさがあって、かえって良い結果をあたえる。

 「キャンプ・カウンセリング」

A.V.ミッチェル

I.B.クロフォード