カブの「組」とボーイの「班」とでは、そこに求めているものが全く違っています。環境を整えてもらって成人の指導・支援を受けながら資質を伸ばす活動していくのがカブの「組」。自治組織として自らの関わりで良い環境を作り上げ、それを班の一員として自ら運営していくのがボーイの「班」・・・と思ってください。
それでは、カブの「組」とそのはたらき・役目について詳しく説明します。
前述で「環境を整えて」と書きましたが、ではどんな環境を整えてあげる必要があるのでしょうか?
まず、異年齢のスカウトからなる「小グループ」となっていることが大切なんです。その小さな社会の中で、集団のルールを守ることや、自分の位置づけや在り方を考えること、分担された役割を責任もって実行すること、みんなと協力すること・・・等を学んでいく場と機会という「環境」を作ってあげること、それを楽しく行うことができるように工夫(=プログラム化)するのが隊指導者の役目であり、そこでスカウト相互の関わりの支援をしていくこと、家庭と密接に連絡をとって、スカウト活動で学んだ「良い習慣や精神、知識や技能、感動や情緒・愛情等(=これを良い「性格」と言っています)」の定着を促すことがデンリーダーの大きな役目なのです。集会だけでは定着は不充分です。家庭で保護者の下で、意識的な随時のかかわりがあってこそ定着が図れるのではないでしょうか。そうです、デンリーダーには家庭と隊をつなぐという大きな役目があるのです。
さて、「カブ隊のさだめ」の順番をもう一度みてみましょう。この順番は変えることができません。それは、スカウトがカブ隊という小社会に入ってそして成長していくに従って、実行(実現)できるように順序だてて組み立てられているからなのです。そんな相互影響の場としての組集会である必要があります。単なる隊集会の準備の集会ではないのですね。
スカウトのちかいは「自分と神」との個の関係として捉えることができます。ですから、前述したように「自らの責任で関わっていく」のです。では、カブはどうでしょう。「ちかい」に対して「カブ隊のさだめ」となっています。「カブ隊の」が付いています。ということは「自分と隊」との関係、言い換えれば「集団の中での自分の在り方」としての関わりなのです。子供の成長の度合いを踏まえての成長に応じた関わり方を示している訳ですね。
このことは、キプリング作の「ジャングルブック」を読むとよくわかります。ジャングルの掟、群の定めを守ることの大切さ、そして守らない者がいたとき、そこに起こる災いは、その者の所属するグループが被る・・・ということが。カブの活動は楽しくためになるばかりでなく、体や心の成長の健やかな成長を促進し、社会生活で必要な協調性、リーダーシップ・フォロアーシップを育てるといった効用もさることながら、その一方で忘れてはいけないことに「しつけ」があります。組の一員として自分はどのようにしなくてはならないのか・・・、それは、仲間と心から仲良くなる術であり、自分を律することの大切さであり、自立する事の大切さであり、仲間と力を合わせてひとりではできないことを成し遂げる喜びの気持ちを知ることであり、良いと思ったこと・正しいと思ったことを実行できる勇気であり、弱い立場にあるものを労る気持ちであり、そして人の行動を予測して先回りして行動する「観察と推理」等々、それをこのカブの時代に身につけるべき良き社会人の資質、それが「カブ隊のさだめ」として表れているのですね。