日本ボーイスカウト茨城県連盟
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スカウト運動の方法(スカウト教育法の8つの要素)

 

 スカウト運動の方法は、目標を達成する際に用いられる手段であり、この方法はスカウト運動の原理に基づいているものです。

 スカウト運動の方法がスカウト教育法と呼ばれるのは、いくつかの教育手段によって構成されているからです。それは、「ちかいとおきて」「行うことによって学ぶ」「小グループでの活動」「象徴的枠組」「個人の進歩」「自然の中での活動」「成人の支援」です。それらの手段はスカウト教育法の要素として、それぞれが相互に関連し相乗作用をすることで全体を構成しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●ちかいとおきて

◦スカウト教育法において、全ての方法の中心的存在であり、その核となるものです。

◦スカウトのちかいは、この運動に参加する全ての青少年が、仲間の前でする誓約であり、それによりスカ

 ウトのおきてを知っていることを認め、その行動規範に従い最善を尽くすことを自分自身が約束すること

 になります。

◦スカウトのおきては、スカウトたちが、社会生活をするにあたっての「きまり」であり、「行動における

 価値基準」であり「生活信条」となるものがこれです。

◦これらは、押しつけられるものではなく、自らがそれを守る、守ろうと努力をすることで、自らの成長を

 促していきます。

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●行うことによって学ぶ

◦行うことによって学ぶことは、直接体験したことによって成長することを意味します。それは何よりも効

 率的な教師であるとも言われています。知識や技能を自分のものにしていくには、実際に行ってみること

 が大切です。

◦行うことによって学ぶことは、青少年が経験する全てのものから自分にとって重要なものを引き出し、

 成長することを促進する方法となります。

◦行うことによって学ぶことは、人生に積極的に取り組むようにさせることであり、社会の中の傍観者では

 なく、行動する者になるようにすることに繋がります。

◦また、自分一人だけでなく、集団の中で起こる出来事やお互いの関係からも多くの事が学ぶことができま

 す。そして何よりも将来成人になったとき、高いレベルでのバランスがとれているように、さまざまな領

 域の発達ができるような教育プログラムを提供しています。

 

●小グループでの活動

◦青少年は、自分とほぼ同年代のメンバーで自然に小集団をつくる傾向があります。ボーイスカウトて゜

 は、班・組と呼ばれる6〜8人の異年齢のスカウトで構成される小グループが活動の単位です。

◦ここでスカウトたちは、自分に与えられた役割を果たすことで自発性や責任感を、班・組のために行動す

 ることで協調性やチームワーク、リーダーシップ等を、先輩が後輩を教えることでより深い知識と技能

 を、そして班や組が競い合い切磋琢磨していくことで、更に高度で深い人間関係が養なわれ、高度な活動

 へと発展し、社会人として大切な資質を養っていきます。

◦ベーデン-パウエルが考えた「パトロールシステム」は、スカウトのおきてに基づき組織された機構と民主

 的な自治システムを形成していて、メンバーがそのグループの中で責任を分担しているものです。

 

●象徴的枠組み

◦スカウト運動において、象徴的な枠組みとはスカウト運動が推進したい概念を表す一連の要素です。私た

 ちの運動のスカウト運動そのものも、ベーデン-パウエルが考案した象徴的な枠組みであり、少年たちを引

 きつけるようと考えられたものです。

◦さまざまな年齢の青少年のニーズに応じるために、各年齢層別の部門は中心となるテーマ(子供たちの

 寓話、伝説上の英雄、歴史的なものにヒントを得たもの、あるいは全くの創作にヒントを得たもの)を示

 すような象徴的な枠組をもって取り組まれています。

◦よく子供達は、アニメや映画の登場人物になりきって遊びをしています。それが子供達にとってとても楽

 しく夢中になれるものでもあり、また自然の姿なのです。

◦ボーイスカウトの活動でも、集会のプログラムにこのような想定を設けたり、ストーリー性のあるプログ

 ラムで活動を行っています。それによって好奇心を湧き起こし、イメージを膨らませ、目標を明確にする

 ことができます。そこにいろいろな教育的要素を盛り込んでプログラムが作られています。

◦象徴的な枠組みは、青少年が元々持っている想像力、冒険心、創造力、発想力といった資質を基にして

 います。

 

●自然の中での活動

◦ボーイスカウトでは、よくキャンプやハイキングをします。それ以外の活動も基本的に戸外や野外を主と

 して行っています。

  それは、自然界から得られるたくさんの恩恵に感謝する心を育むこと。健康な心と体をつくること。大

 自然の驚異に感動し情緒を深めること。自然の脅威を感じることで傲ることなく、また絶対主の存在を意

 識すること。協力すること、強調することの大切さを体得すること、そして生きる術を身につけることな

 ど、実に様々なことを身につけることができる場であるからです。

◦スカウト教育法の一要素としての自然とは、自然界が青少年の発達のために与えてくれる計り知れない可

 能性のことであり、スカウト教育法が適用できる理想的な活動の場を提供することを意図しています。

  自然は、様々な面でスカウトの個人的な発達に貢献します。

 ⓐ肉体的発達

  自然は、新鮮で汚染されない空気、エネルギーを消費する空間、肉体的活動をする機会、我慢すること

  を試す機会、チームで協調すること等を与えてくれます。

 ⓑ知的発達

  スカウトにとって自然は、探検したり、感覚を発達させたり、観察技術や様々な能力を伸ばす機会を提

  供してくれます。自然の中で青少年は、相互に依存し、人間関係の繋がりに気づき、自然のシステムの

  機能を理解する機会も与えてくれます。

 ⓒ情緒的発達

  自然は、感情や情緒を探求する多くの機会を与えてくれます

  自然の中での平和で安らかな静けさは、私たちを、日常の問題や苛立ちから解放してくれます。

 ⓓ社会的発達

  自然の中では、青少年が互いに長所と短所を持った者同士であることを分らせることができます。

  自然の中で直面した問題では、互いに助け合わなければならず、都市生活ではあまり得られない連帯感

  を築くのに利用できます。

 ⓔ精神的発達

  自然界の多くの驚異を発見し、注意深く観察することで、精神的な自覚をすることができます。

  例えば、昆虫の生活を観察したり、夜空の流れ星を見ながら神秘的な宇宙を感じたりすることで、自分

  の存在を考え、自然への畏敬の念を感じることができます。

 

●個人の進歩

◦個人の進歩は、青少年一人ひとりが自分自身の発達を意識し、積極的に関わることに焦点を当てていま

 す。また、進歩課程は、スカウト教育法の主要なもので、青少年に知的、技能、態度の側面での発達を期

 待し設定されています。その進歩課程は、青少年に魅力的で刺激的な方法で提示されています。

◦興味のあることを追及できたり、才能に気付いたり、達成感を感じることは、青少年にとって極めて重要

 なことです。スカウトには、自分のやり方で自らの視野を広げ、成長する、その機会を提供することが必

 要です。

◦ボーイスカウトでは、子供達がそれぞれの年代に身につけておくべきコトを「進歩課目」として設定して

 います。この進歩課目は、学校や塾の勉強とはちがい、外圧によってやらされるものではなく、子供の内

 面を刺激して「やってみたい」と思うようなものになっています。

◦進歩したことは、認められるべきで、自分が進歩・成長したということを知り達成感を得ることが大事

 です。更に、他の人達がそれに気づくことが必要です。称賛の声をかけ、そのスカウトのやる気を維持す

 ることも重要なことです。そこで、ボーイスカウトでは、1つの分野の進歩課目を終了すると、特別な

 バッジがもらえます。バッジの授与は、スカウトにとって達成したことの重要な証明になります。そし

 て、その達成感は、さらに前進しようというやる気を再び作り出すことに役立ちます。

 

●成人の支援

◦子供達の成長は、子供達だけで成し遂げられるものではありません。

◦ボーイスカウトでは、子供達は「自発性」をもって活動するコトを求められますが、そこには多くの成人

 (指導者や保護者、地域の人々)の関わりと支援があってはじめて、スカウト運動が求めている目的へと

 向かうことができるのです。

◦スカウト運動において、成人の支援は成人と青少年の間の自発的な協力関係を含むものであり、この協力

 関係において、成人指導者はスカウトの自己学習を促進していくことです。成人指導者の青少年に対する

 支援は、教育的支援であり、青少年一人ひとりが成長することを助けることを目指します。

  スカウト教育法としての成人の支援は、成人と青少年が一人の人間として互いに尊重し、信頼し、受け

 入れることを基に、両者に豊かな学習環境をもたらすものです。また、その協力関係において、自分の務

 めを果たし、意思決定に参加し、責任を分担し、皆のためになるような建設的な雰囲気が必要です。

◦また、ボーイスカウトでは、保護者や地域の方々に「人的・物的」な様々な形での支援をお願いしていま

 す。

 

●社会との協同

◦スカウトたちは「社会との協同」を通して様々な人々と協働し多様性を学びます。

◦それゆえ、社会と向き合う、または社会の中に入る、ということで、スカウトたちは文化の違いを乗り越

 えてお互いを理解する、また世代間に横たわる問題をしっかり認識する、そして様々な形で社会とより深

 くかかわる、といった力を身につけることができます。

◦スカウトたちが習得することは中身が何であれ地域社会にメリットをもたらします。例えばスカウトが

 「もやい結び」を覚えれば、それがどんな風に人命救助に役立つのか、ということに結びつきます。

◦また、たとえそれがスポーツ活動のような自分自身だけのためのものであったとしても、そのことで健康

 で活動的なスカウトが育つのですから、それが地域社会をより良くするために奉仕する人材育成につなが

 るわけです。